ボランティア日記:こわがりさんのとなりで
連載 「ねいろがうちに来るまで」 第2回(全8回)
シェルター通い、2ヶ月目に入りました。今日は、ある女の子のお話です。
その子は、人間がこわい。手を伸ばせば奥へ下がるし、目が合うだけで体がこわばります。過去に何があったのかは、誰にも分かりません。
スタッフさんに教わったのは、「何もしないでとなりにいる」こと。おやつで釣らない、無理に触らない、目をじっと見ない。ただ本を読んだりしながら、同じ空間で静かに時間を過ごすだけ。
先週、初めての変化がありました。私が座っていると、その子がケージのいちばんこちら側に来て、伏せをしたんです。距離、たぶん1メートル。それだけのことで、私は帰り道、ちょっと泣きそうでした。
信頼は、一気には縮まらない。1メートルが90センチになる、その10センチを一緒に喜ぶ。保護の現場で教わっているのは、犬のことのようでいて、生きること全部の話のような気がします。
焦らず、その子のペースで。また来週、となりに座りに行ってきます。
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